rule
ルールについて
laws of game
競技規則
国際サッカー評議会(以下、IFAB)から2025年3月26日付回状第30号をもって
2025/26年サッカー競技規則の改正を含む、
第139回IFAB年次総会における決定について通達されました。
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Qなぜ競技規則を変更する必要があったのか?
A審判員がこの競技規則を施行せず 、ゴールキーパーが、特に自分のチームが勝っているときに、時間を浪費し、試合のテンポを変えるために6秒よりはるかに長い時間ボールを保持していた。これにより、競技者、指導者、そしてファンが不満を抱くことになった。 -
Qなぜ審判員はこの競技規則を施行しなかったのか?
A審判員は、ゴールキーパーが6秒より長い時間ボールを保持することを罰することはめったになかった。その理由は、ペナルティーエリア内で間接フリーキックを管理することは大変困難で、ゴールキーパーが長い時間ボールを保持すること以上に試合のリズムを乱したからである。さらに、ペナルティーエリア内での間接フリーキックを与えることは、相手チームにとてもよい得点の機会を与えるという点で、厳しい罰則となるからである。これまでの競技規則は、反則(ゴールキーパーが6秒を超えてボールを保持すること)と罰則(間接フリーキック)が釣り合っておらず、不公平と見なされていた。その理由は、攻撃側のチームはボールを保持しておらず、またボールがゴールキーパーによって保持されているときはボールを奪える機会もないからである。 -
Qなぜ罰則が間接フリーキックからコーナーキックに変わったのか?
AIFABは効果的に抑止できる方法、そして審判員が容易に管理できる再開方法を模索した。そしてコーナーキックが選ばれた。それは、ゴールキーパーはコーナーキックを与えたくないと考えていることと、コーナーキックは管理が容易であり、ペナルティーエリア内での間接フリーキックと比べてより素早く再開できるからである。 -
Qなぜゴールキーパーがボールを保持できる時間は6秒から8秒に伸ばされたのか?
A分析の結果、ゴールキーパーが時間を浪費し、試合のテンポを遅らせようとしている場合を除き、ゴールキーパーは明らかにボールをコントロールしてからたいてい8秒以内に放していることが示された。
分析の初期段階、そして試行の結果からゴールキーパーがボールを放す時間には主に以下の3つのパターンがあることが分かった:
• 1-4秒: ゴールキーパーが素早いカウンターアタック*を始めたいとき
• 5-8秒: ゴールキーパーは、素早くボールを放したいが、パスを出せる味方競技者が見つからない、または別の競技者が進路上にいるとき(たいていは偶発的に)。例えば、攻撃側のフリーキック、またはコーナーキックの後でペナルティーエリア内が競技者で込み合っているとき
• 8秒以上**: ゴールキーパーが意図的に時間を浪費し、試合のテンポを遅らせようとしているとき
*イタリアでの試行期間中、全体の61%の場面でゴールキーパーは4秒以内にボールを放していた
**いくつかのケースでは、ゴールキーパーが20秒以上ボールを保持していることもある -
Qある試行ではスローイン、別の試行ではコーナーキックが用いられていた。なぜIFABは長い時間ボールを保持するゴールキーパーへの罰則としてコーナーキックを選んだのか?
A試行に携わった関係者によって、スローインよりもさらに強い抑止力があると評価されたため、 IFABはコーナーキックがより適切な罰則だと判断した。 -
Qいつゴールキーパーが手や腕でボールをコントロールしたとみなされるのか?
A競技規則第12条によると、ゴールキーパーが手や腕でボールをコントロールしたとみなされるのは次のような場合である:
• ボールがゴールキーパーの両手、または両腕で持たれているとき
• ボールがゴールキーパーの手、または腕と他のもの(例えば、グラウンド、自分の体)との間にあるとき
• ゴールキーパーが広げた手のひらでボールを持っているとき
• ボールをグラウンドにバウンドさせる、または空中に投げ上げたとき -
Qいつ8秒のカウントを始めるのか?
A8秒のカウントは、ゴールキーパーが手または腕で明らかにボールをコントロールしていると主審が判断した時点で開始される。カウントダウンを開始するのに、ゴールキーパーが立っている必要はない。それは、特に時間が浪費される多くの場合、ゴールキーパーはボールをキャッチした後、不必要にグランドに倒れ込み、誰も立ち上がるのを妨げていないにも関わらずそのままの状態でいるからである。
もし、相手競技者が、ゴールキーパーが8秒以内にボールを放すのを妨げた場合、アドバンテージが適用される場合を除き、フリーキックがゴールキーパーのチームに与えられる。 -
Q8秒の残り5秒をカウントダウンするために、なぜ主審は手を上げるのか?
A主審が手を上げて5秒から0秒まで指を使ってカウントダウンするのは、ゴールキーパーが罰せられるのを防ぐためである。また、そのカウントダウンは、ゴールキーパーの味方競技者がカウントダウンを終える前にボールを受けられるようにするのにも役立つ。 -
Qどちらのサイドからコーナーキックは行われるのか?
Aゴールキーパーが罰せられた時に立っていた地点に近いサイドからコーナーキックは行われる。 -
Qどこで試行が実施されたのか?
Aイングランド、イタリア、そしてマルタで行われた400試合以上の公式戦で試行は実施された。第三者の(審判)オブザーバーがどれくらいの時間ゴールキーパーがボールを保持したかを計測した。 -
Q 試行期間中、ゴールキーパーが罰せられたケースは何回あったのか?
A• マルタでの179試合で、ゴールキーパーが8秒を超えてボールを保持し罰せられることはなかった。
• イギリスでの160試合、そしてイタリアでの80試合で、ゴールキーパーが8秒を超えてボールを保持し罰せられたケースは(4試合で)5回だけである。それらはいずれも試合終盤のことであった。 -
Q試行に参加した関係者からはどのようなフィードバックがあったのか?
A監督、ゴールキーパーそして審判員にアンケートが実施された。ゴールキーパーの一部は他の関係者と比較してやや慎重な反応であったものの、その結果は非常に前向きなものであった。
• 63.7%は、この変更は試合に良い影響を与えたと回答した。
• 72.5%は、この変更の結果、試合のテンポがより速くなったと回答した。
• 87.6%は、主審による5秒のカウントダウンは役立ったと回答した。 -
QIFABの試行はたいてい2年続くはずだが、なぜこの試行は1年という短い期間だったのか?
A400試合以上で反則がわずか5件しか起きず、試行への参加者から前向きなフィードバックが寄せられたこと、そして特にすべてのレベルの試合にとって有益であることを踏まえ、IFABはこの変更を競技規則に導入することを遅らせる理由はないと判断した。
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